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映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」あらすじ ネタバレあり感想 レビュー 鬱蒼としたミュージカル映画

今回ご紹介するのは2000年に公開されたデンマーク映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」です。

暗く重い作風に定評のあるラース・フォン・トリアー監督の作品で、「どこにも救いのない映画」として有名になりました。

賛否両論分かれる本作ですが、どんなストーリーなのかさっそく見ていきましょう。

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

 f:id:mamamatutu:20200527211205j:plain 引用元:Yahoo!映画

2000年  デンマーク

原題:「Dancer in the Dark」 

監督: ラース・フォン・トリアー

出演: ビョーク
            デヴィッド・モース
            ピーター・ストーメア
            カトリーヌ・ドヌーヴ   他

映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」あらすじ

舞台は60年代のアメリカ。チェコからの移民で、ミュージカルが唯一の趣味であるセルマ(ビョーク)は、工場で働きながら息子であるジーンと二人で暮らしていた。彼女に対し優しく接してくれる人々に囲まれたセルマは、貧乏ながらも満ち足りた毎日を送っていたのだった。

ところが、セルマはある一つの大きな問題を抱えていた。それは、彼女は先天性の病気により視力が失われつつあり、この病気は息子のジーンにも遺伝しているということであった。

この病気の治療には手術が必要であり、セルマは息子だけでも助けるため、高額な手術費用を貯めようと働き続けるが...

映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」感想、見どころ(ネタバレ注意)

救いようのない展開の連続

息子のためにと働き続けるセルマ。視力の悪化から仕事でのミスが続き、工場をクビになってしまいますが、何とか手術に必要なお金を貯め切ることに成功します。

ところが、近所に住み仲良くしていたはずの警察官ビル(デヴィッド・モース)に、このお金を盗まれてしまうのです。これを知ったセルマはビルにお金を返してもらおうと頼みに行きますが、その際にはずみでビルを殺害してします。

この一連の流れ、書いてるだけで気が重くなってきましたがいかがでしょうか。息子のために身を粉にして頑張ってきたセルマ、そんな彼女がこんな仕打ちを受けるなんて、あまりにひどすぎます。ビルを殺したのだって、彼が拳銃を出しそう差し向けたからのことでした。友好関係を築けていたと思っていた、信頼していたビルに裏切られ、しかも殺してしまった。この時のセルマの気持ちを思うと非常に胸が痛みます。

人によってはここらへんでもう観るのがキツくなってくるかもしれませんね。

でも、セルマを襲う悲劇はまだまだ続きます。

暗い暗いミュージカル

作中、ことあるごとにセルマをはじめとする登場人物が音楽に合わせて踊り始めるミュージカルのシーンが挿入されます。

これらは全てセルマの妄想、脳内における出来事なのですが、この映画ではそのつなぎ目がわからないよう、ごく自然にミュージカルへと場面が移り変わっていきます。

救いようのない日常から逃避したセルマが逃げ込むことのできる唯一の場所、それがこの妄想のなかのミュージカルというわけです。

また、だいたいこのミュージカルが終わった後には現実でよくない出来事が起こり、そのコントラストも見ている側の気をより一層重くさせます。

全体的に暗い雰囲気の漂う中でやけに明るく描かれるミュージカル。これもこの映画を鬱蒼としたものにする一つの要素といえるでしょう。

衝撃的なラスト。本当に救いはなかったのか?

ビルを殺してしまったセルマは裁判にかけられ、死刑の判決を受けます。

死刑当日、死を恐れるセルマは、震えながらも最後に歌を歌います。処刑場に響き渡る歌声。そしてセルマは、歌いながら処刑され、命を絶つのでした。

この絶望的ともいえるラストですが、唯一、一点だけ「希望」ともいえるような出来事が起こっていました。それは息子のジーンが視力回復手術に成功したということです。ビルから取り返したお金で、何とか手術を受けることに成功していたのでした。

死刑直前、セルマはこのことを知らされます。最大の目的が達成されたことを知りながら死んでいったセルマ。その死に際に、彼女は何を考えたのでしょうか。

このラストが絶望的か、はたまた最後に少しの希望を見るか、その解釈は人によって分かれるところでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。息子のために頑張るセルマとその悲しい人生を描いた映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

救われない映画と言われますが、見る人によってその受け取り方は大きく変わると思います。

特にラストシーンに関しては、ぜひ自分の目で見てみてほしいと思いました。

賛否両論分かれる本作ですが、気になった方は是非観てみてはいかがでしょうか。

個人的おすすめ度 ★★★☆☆

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