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映画「ザ・フライ」(1986) あらすじ ネタバレ有り感想

映画レビュー記事、記念すべき第一本目は1986年、アメリカで公開されたSFホラー映画、「ザ・フライ」です。

SFホラーには観る人を選ぶ映画が多いですが、特殊メイクを活用したグロテスク描写が満載の本作はその中でもより一層観る人を選ぶといえるでしょう。

では、さっそく紹介に入っていきたいと思います。

 

「ザ・フライ」

f:id:mamamatutu:20200510225708j:plain 引用元:映画.com

 

1986年 アメリカ

原題 :『The Fry』

監督 : デヴィッド・クローネンバーグ

出演 :ジェフ・ゴールドブラム

         ジーナ・デイヴィス 他

 

映画「ザ・フライ」あらすじ

天才科学者セス・ブランドル(ジェフ・ゴールドブラム)は、「片方のポッドに収めた物質を細胞レベルで解析、分解し、もう片方のポッド内に再構築する」という手法を用いた物質転送器、「テレポッド」の開発に成功する。しかし、無機物の転送には成功するものの、生きた生物を含む有機物の転送では失敗が続いていた。

そんな中、セスはとあるパーティーで自らを取材したがる記者、ヴェロニカ(ジーナ・デイヴィス)と出会う。ヴェロニカと親密な関係となったセスは、彼女の助言のもと、ついに動物を用いた有機物の転送に成功。

しかし、喜びも束の間、ヴェロニカの上司で元恋人のステイシスとの関係に嫉妬し泥酔したセスは、その勢いで未だ行っていなかった人体の転送を、自らの身体を実験台とし突発的に行ってしまう。

転送は成功したかに思えたが、実は転送の際テレポッドには一匹のハエが紛れ込んでおり…

 

映画「ザ・フライ」感想(ネタバレ注意)

   変異していくハエ男の恐怖

本作は、「テレポッド」での転送に失敗し、ハエとDNAレベルで結合してしまった男とその周囲に起こる悲劇を描くSFホラー映画となっています。本作の目玉である、セス(ジェフ・ゴールドブラム)が日を追うごとに巨大なハエのような姿へと変異していく様子は、特殊メイクとは思えないほどリアルでグロテスクです。

というか、「DNAレベルでハエと結合する」という設定そのものが大きな不快感を煽ってきますよね。作中でも、セスの身体にだんだんとハエのものであると思われる「固い毛」が背中から生えてくるという描写があります。自らの肉体が日に日にハエへと置換されていく...想像しただけで恐ろしいです。

これほどシンプルに観客を恐怖させる脚本、描写はなかなかに素晴らしいと思います。

  ハエ男のこども…妊娠したくないよね

作中、セスとヴェロニカは恋人関係となり、その結果、ヴェロニカはセスとの間に赤ちゃんを授かります。普通であればとても喜ばしいことですよね。

しかしこの映画では、ここが最大の悲劇ポイントと言えるでしょう。まあおおむね察せるかとは思いますが、この赤ちゃんは、セスとヴェロニカの遺伝子、、、だけでなく、ハエの遺伝子も持ち合わせてしまった赤ちゃんなのです。

そのことを知ったヴェロニカは赤ちゃんをすぐにでも堕ろそうとしますが、セスは「自らの生きた証」として子どもを産んでほしいと懇願します。ここが悲しいところです。二人のそれぞれの立場に立ってみれば、そのようなことになるのは当たり前でしょう。

セスはいくら身体は醜く成り果ててしまっているとはいえ、心は人間なのです。子孫を残したい。それは当然の欲求です。

対してヴェロニカは、身も心も健全な人間。ハエ男の子がおなかの中にいるなんて...耐え難い恐怖でしょう。実際、ヴェロニカは、自らのおなかの中から巨大なハエの幼虫が出てくる...というグロテスクな夢を見てしまっています。ちなみにこの映画は、妊婦に対して「鑑賞のを控えるように」という警告が出たりしています。

かつては愛し合った二人がハエのDNAによって引き裂かれてしまう...なんとも悲しい話です。

  完全にとばっちりの元恋人ステイサム

本作では、セスとヴェロニカに次ぐ第三の重要人物として、ヴェロニカの元恋人で上司である、ステイサムという人物が登場します。この人、序盤から嫌がるヴェロニカに言い寄ったり無理な要求をしたりと、観客に嫌われるようなキャラクターとして描かれるのですが、ラストには、それらの悪行に見合わないほどの悲劇に見舞われるのです。

作中終盤、堕胎手術を受けている最中、ヴェロニカは、それを察知し、阻止しようとするセスに研究所へと連れ去られてしまいます。そのことを知ったステイサムは、ショットガン片手にセスの研究所へと忍び込みました。研究所では、セスが「テレポッド」を用いてヴェロニカと一体になろうと、無理やり彼女を「テレポッド」へと押し込んでいました。ステイサムはそれを止めようとするのですが、セスに見つかり、なんとハエの消化液で手足を溶かされてしまうのです。

結果、二人の協力によってセスの陰謀は阻止されるのですが、それにしたってこの仕打ちはあんまりですよね...憎たらしいキャラクターだったステイサム、さすがにこれには同情します...

 

まとめ

いかがでしたでしょうか、ハエ化していく男の悲劇と恐怖を描いた作品「ザ・フライ」

かなり昔の作品とは思えないほどグロテスク描写が凝っており、作中の世界にどっぷりとはまることができます。にしても、主演のジェフ・ゴールドブラムは科学者の役が非常に板についていますよね。すごいです。

個人的には、DNA関連の技術の進歩が著しい昨今、このような状況が実際に生まれないとは限らない、というところが本作を今観るに当たって最も怖い点ではないかと思いました。

食事をしながら、とかはおススメしませんが、本作は比較的短い時間で手軽に鑑賞することができます。生理的恐怖を味わいたいときに、是非、観てみてはいかがでしょうか。

 

個人的おすすめ度 ★★★☆☆

 

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